解説)天河神社の奥宮が鎮座する霊峰弥山は、大峰山系(世界文化遺産)の中央に君臨し、荘藪幽玄な山容を持水の精、木の精、土の精等神々の鎮まる神奈備信仰の大元とされ、宗教的霊山の第一に掲げられています。修験道開祖役行者は、弥山に於いて鎮護国家を祈念した時、天降る天女の神を弁財天と感得し、壺中である天河弁財天社に歓請されたのが、日本弁財天の初めとされます。
7世紀後半大海人皇子は壬申の乱に際し、霊験あらたかな弁財天に戦勝を祈願し勝利を収め、壺中の琵琶山に天之安河之宮として社殿を造営、その後僧空海弘法大師等、賓顕高僧の参鬟とする山内第一霊場となります。又能楽との関係も深く世阿弥摘男観世十朗元雅寄進の能面「阿古父尉」等能楽史上貴重な重要文化財が多く所蔵され、芸術芸能音楽の神としても篤く信仰されています。
天河大弁財天社は、中央に弁才天女、右に熊野権現、左に吉野権現がお祀りされています。
水の精である弁財天女は、音楽や芸術、芸能の神様としても知られています。
江戸時代、放浪の僧円空も大峯の地で修行され、弁財天社には「大黒天」も奉納されています。
「龍神大神」弁財天の化身なる龍神の神
「大将軍大神」八つの社の森の八将神
「大日霊貴神」天照大御神の別名
「天神大神」菅原道真公
「大地主大神」琵琶山の地主守神
((天石の云われ))
大峯弥山を源流とする清流は天の川に注がれ壺内(壺中天)で蛇行し、その形は龍をしのばせる、鎮守の社、琵琶山の磐座に弁財天が鎮まり、古より多くの歴史を有す。
この地は、
「四石三水八ツの社」
と言われ、
四つの天から降った石
三つの湧きでる清水
八ツの社
に囲まれし処とされ、神域をあらわす。その内三つの天気石を境内に祀る。
雄大な自然の中に幽玄に佇む、一つ一つに感性を刺激される、静かで美しい神社でした。
こちらにたどり着くまでの自然の美しさも圧巻です。
住所
天河大弁財天社(テンカワダイベンザイテンシャ)
〒638-0321 奈良県吉野郡天川村坪内107
午前8時~午後5時
駐車場あり